作業療法の作業とは食事をする、入浴をするなどの「生活行為」の全般を指し、患者さんが日常生活や社会生活に復帰できるように能力を維持・改善することを目的に行う治療法です。患者さんに寄り添い、患者さんの抱く目標に向かい、「その人らしい生活」を送るために身体機能のみならず、精神機能、環境、習慣等へ様々な手段でアプローチをしていきます。
急性期では、病気やけがの治療や手術直後からリスク管理を実施し症状に合わせた心身機能の改善と安静による機能の低下を予防します。患者さんが必要とする生活行為の獲得を早期から目指してベッドからの起き上がり、整容(洗顔、歯磨き)やトイレなどの日常生活動作の練習を行っていきます。
回復期では、より具体的な退院後の生活をイメージして心身機能や生活能力の改善を図ります。生活していくために必要な能力や手段の獲得を通じて、患者さんそれぞれに応じた生活方法を習得します。服や靴の着脱する練習や調理や掃除等の家事の練習、仕事復帰等に向けた練習を必要に応じて行います。

